自然に生える草

自然とともにあるシンプルな暮らし、庭づくり、ランドスケープ、建築。

もう、菜の花が

雪の予報が先に延びて午後からは晴れの予報が出た日曜日、テキトーなお弁当を作って、川辺の散策に出かけると、どんよりと曇った鉛色の風景の中に、黄色い花が、ささやかな彩りを添えていました。それは、一面の鮮やかな黄色ではなく、まだ、はかなげで、あまりにも自然で、見落としてしまいそうな淡い黄色。

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霞ヶ浦と北浦を結ぶ常陸利根川潮来付近の土手で見つけました。まだ1月の終わりなのに、もう菜の花が咲いています。菜の花ってこんなに早く咲くのでしたっけ。

温暖化の影響でしょうか。

 

2月になれば、寒さが厳しい中でも

風の匂いに、どこか花の匂いや南国の匂いが混ざってくるけど、今年はもう、そんな早春の匂いがうっすらと感じられます。

 

温暖化は辛いけど、春は待ち遠しい。

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徒然草 第十段 家居のつきづきしく 庭は主人を表す

 

徒然草の第五十五段 「家の作りやうは」は、家の作りに関する記述として有名ですが、第十段の「家居のつきづきしく」は、庭に関して述べられた文で、今の時代に読んでも新鮮で、共感を呼ぶ興味深い一節です。

 

 

「家居のつきづきしく 、あらまほしきこそ 、仮の宿りとは思へど 、興あるものなれ 。よき人の 、のどやかに住みなしたる所は 、さし入りたる月の色も 、一きはしみじみと見ゆるぞかし 。今めかしくきらゝかならねど 、木だちものふりて 、わざとならぬ庭の草も心あるさまに 、簀子 ・透垣のたよりをかしく 、うちある調度も昔覚えてやすらかなるこそ 、心にくしと見ゆれ 。

 

多くの工の心をつくしてみがきたて 、唐の 、大和の 、めづらしく 、えならぬ調度どもならべおき 、前栽の草木まで心のまゝならず作りなせるは 、見る目もくるしく 、いとわびし 。さてもやは 、ながらへ住むべき 。また 、時の間の烟ともなりなんとぞ 、うち見るより思はるゝ 。大方は 、家居にこそ 、ことざまはおしはからるれ 。」

 

対訳:三石由紀子「これで読破!徒然草

 

家がその主人に似つかわしく理想的なのは 、人生は仮りの宿だとは思うものの 、感興がわく 、良いものである 。品位のある人がゆったりと暮らす住居は 、差し込む月光の色も 、格別にしみじみと見えるものだよ 。当世風でもなく 、きらびやかでもないが 、庭の木立が時を経て 、自然のままの庭の草も趣きがある 。簀子と透垣の続き具合に情趣があり 、調度品にも昔風の趣きがあって落ち着いているのが奥ゆかしく感じられることだ 。

 

その一方で 、大勢の木工達に意匠の限りに飾り立てて造らせ 、やれ中国の 、やれ日本のと 、珍奇で見事な道具類を並べて置いたり 、庭先の植え込みの草木にまで自然の趣きを無くすほど手を加えているのは 、見た目も厭わしく 、やり切れない思いがする 。そんなことをしたからといって 、一体いつまで住めるというのか 。全ては一時の事で 、すぐに煙となって消えてしまうのにと 、見てすぐにも思われることだ 。大体 、住居を見れば 、その主がどんな人柄か 、見当はつくものだ 。

対訳:三石由紀子「これで読破!徒然草

 

「自然のままの庭の草も趣がある」・・・やはり、そうですね。私もそう思います。

 

庭は、住人を写す鏡なのかもしれません。

 

手入れの行き届いた庭は、綺麗好きで几帳面な方がお住まいなのかなと思い、ガーデナーを雇えるような経済力があるようにも見えます。一方でゴミが散らばっていたり、セイタカアワダチソウやクズがはびこっていると、ゴミがあっても気にならない人なのかと思われたり、廃墟なのかと思われるでしょう。

 

私も、草取りをさぼっているとたちまち草に覆われて、うらぶれた印象の家になってしまいます。

そんな時は、庭は住人を写す鏡であることを思い、草取りの時間を作るようにします。

時間がもったいないように思う時もありますが、草や土の匂いを嗅ぐだけで気持ちが良く、ボサボサした庭がスッキリすれば、気分もスッキリするし、運動にもなるし、遊びに行って散財することもなくなります。

庭仕事の後、風呂に入って、和室でくつろぐ時の気持ち良さったらないので、ホントは頻繁にやれば良いですよね。なかなかできませんが。

 

自然の趣を出すには、ほどほどに、手入れをするぐらいでも良さそうです。

 

「庭先の植え込みの草木にまで自然の趣きを無くすほど手を加えているのは 、見た目も厭わしく 、やり切れない」と、兼好法師も言っております。

 

ほどほどの、美しさ、自然に生えてくる草を生かした、微妙なさじ加減の庭づくり。それが私の好きな庭です。

品位のある人がゆったりと暮らす住居には、まだまだ及もしませんが、それを目指したいものです。

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ブルーベリー、ラムズイヤー、アスパラガス、シロタエギク

 

冬の庭を彩るシルバーリーフ

 

しんしんと寒さが増してきて、気づけば12月も三分の一が過ぎました。どんよりと曇った白い空と枯れ行く草木。こんな風景も悪くありません。晴れた日は、それはそれは気持ちが良いけれど、どんよりと曇った日も、しみじみと落ち着いた良さを感じます。

 


東京の、この時期は、きらびやかな電飾があふれ、人がごった返しにうごめいていて、活気がある中にも、夜の暗さが強調されて、なんだか逆に寂しいような気分になってしまうのですが、自然の中にいると、平穏な気持ちになるから不思議です。

 


今年、私の小さな庭で、最も勢力を発揮したのは、このラムズイヤです。

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最初は南側に植えていましたが、他の勢いの強い植物の影になって、消えそうになってしまったので、東側に移植したものです。移植二年目で、立派なグランドカバーになるくらい増えました。

プクプクと手触りの良い動物の毛のような葉は、この数日の寒さで、あっという間にシナシナになって、溶けてしまいそうです。

 

 

こちらは、シロタエギク(ダスティミラー)です。 

 

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シルバーがより際立ってきました。こちらのシルバーリーフは、冬でも枯れることなく、殺風景な庭にボリューム感を与えてくれます。

 

シロタエギクは、寄せ植えの背景として脇役的な使われ方をすることが多いようですが、野放しで、大きな塊になるので、庭の重要なアクセントとして主役になっています。

 


葉の形が違いますが、こちらも、シロタエギク(ダスティミラー)です。

 

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ニュールック という新品種のようです。ヨモギの葉に似た切れ込みが少なく丸い葉です。

 


白い葉が一層白くなって、霜が降りたように、はっと目を引く鮮やかです。

 


シロタエギク(ダスティミラー)

学   名 Senecio cineraria 'Cirrus'

科属名 キク科キオン属(セネシオ属)

分   類 耐寒性多年草

 

シロタエギク(白妙菊) 【5Potセット】 下草苗

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ブルーベリーが真っ赤です。今までで一番きれいに紅葉しています。ブルーベリーは見た目も美しく、食べても美味しい!しかし、食べ頃だなーと思う頃に、鳥に食べられてしまいます。#ブルーベリーの木 #ブルーベリー紅葉 #紅葉 #庭のある暮らし #植物のある暮らし #garden #blueberrybush #ラムズイヤー #naturalgarden

 

 

 

三つ葉 がいっぱい

三つ葉がいっぱい生えています。

ナンテンの足元の、薄暗い 踏みつけられたような場所に生えています。

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一度タネを蒔いたことや、根っこがついている三つ葉の根っこを植えたりしたものが次第に増えて、耕されたり草刈りがされないような、暗い場所に自生しているようです。

 


しかし、茎も葉も硬そうです。

 


いつもはスルーしてしまうのですが、いつになくたくさん生えているように見えるので、今日は、なんとなく食べてみることにしました。

泥ネギを取りに行ったついでに、三つ葉も暗がりの中で適当に摘んできました。

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水に浸けて洗って、包丁を入れてみると、やっぱり硬い。

かじってみたら、青臭えぐみと硬さ。野性味が強くて食用には適しませんでした。

 


食用に栽培するなら、もっと栄養のある土や水で育てるのが良いのでしょうね。

 

学名

Cryptotaenia canadensis

英名

Japanese honeywort

和名

三つ葉

科名

セリ科

属名

ミツバ属

原産地

日本

 

 

泥ネギの季節になると 欲しくなる空間

スーパーに泥ネギが売り出される頃は、晩秋というよりは、もはや冬。

泥ネギは泥がついたまま大量にまとまって売られていますが、綺麗に洗われて袋に入ったものよりもだいぶ安いので、これを買わない手はありません。

 


小さな庭は、ネギを埋めておくような場所すらないのですが、

雑草をほじって、未練がましく残していたナスを引っこ抜いて、ネギのベッドをつくります。土を被せれば保存は完了です。

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夕飯の支度をする時に、ネギを取りに行くと、あたりは真っ暗で、窓から漏れる灯りを頼りにネギを一本土の中から取り出して、皮を剥く間にも、刺すような冷気で凍えそう。冬になったなあと実感します。 寒いと思いながらも、土の中から野菜を取り出して料理できるという嬉しさがあって、ほのかな幸せを感じられる時でもあります。

 


冬になると、やっぱり欲しかったなと思う空間は、キッチンとつながった「冷暗場」

。冷蔵庫に入りきらないような大きなダイコンや、ハクサイ、 ゴボウやタマネギを置いたり、大きな漬け物樽や味噌樽を置くようなストックヤードがあれば、自然のものを色々ストックできます。

 


野菜を洗ったり、作業が出来る庭とつながった土間スペースがあれば、申し分ない、余裕のある豊かな暮らしが出来そうです。

 


残念ながら、私の家には、そのような庭と繋がった土間空間がありません。

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東と南面にぐるりと半屋外の回廊を回しているのですが、この回廊を本当は北側 にもぐるりと回して、その一部を冷暗場にしたかった。どうしてもスペースがとれなくて断念してしまいましたが、冬になって泥ネギを買ってきて植える前に、ちょっと置いておく、陽の当たらない冷暗場があったらいいなと思います。

 

 

トウワタ アスクレピアス・クラサヴィカ

 

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11月のある日、庭の片隅に、見たこともないような、花が咲いているのを見つけました。

 


小さな星型の花で、くっきりと鮮やかな黄色とオレンジ。ツボミのような丸い部分は赤。プラスチックで出来ているかにような、ウソみたいな色合い。

 


クネクネ曲がったボックセージと、ゼラニウムのすき間にスッと立って、「殺風景な庭だから、咲いてみましたよ。」とでも言いたげ。

けれど、すっかり日が暮れるのが早くなった日暮れ時の、蒼く沈む草むらのなかで、どこかはかなげに映ります。

 


この植物は、トウワタ のようです。

スマホのアプリで、植物の写真を送れば、教えてくれるというのがあるらしいのです。

GreenSnap

というアプリを試してみたら、速攻で誰かとAIが教えてくれました。

確かにトウワタですね。凄い。

 

今度はググって更に調べてみます

 

トウワタ 唐綿 アスクレピアス

キョウチクトウ科

トウワタ


多年草

原産地 南北アメリカ

 


メキシコや南アメリカ原産の

アスクレピアス・クラサヴィカ種

学名(Asclepias curassavica)

耐寒性低い

多年草だが寒さに弱いため、日本では一年草として栽培される。

種子で増える。

 


アメリカ原産のアスクレピアス・ツベロサ種 (ヤナギトウワタ)

学名(Asclepias tuberosa)

耐寒性高い

 


耐寒性の低いものと高いものがあるようです。

 

うちの庭に生えてきたものはクラサヴィカのようです。冬には姿を消してしまうかもしれませんが種子で増えるようなので、種子ができたら収穫しておこうと思います。

種子はフワフワの綿毛に包まれるようなので、それも楽しみ。

 

ムベジャムで作るドレッシング

今日は、昨日作ったムベジャムを利用してドレッシングを作ってみることにしました。

 

greenarchi.hatenablog.com

 

ムベは甘いので、砂糖やハチミツの代わりに使ってみます。

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ムベジャム 大さじ3

リンゴ酢 大さじ3

オリーブオイル 大さじ3

塩 小さじ 1/2 ぐらい(お好みで)

 


リンゴ酢の代わりに米酢や穀物酢、ワインビネガーでも良いと思います。

ムベジャムにスリおろしリンゴを入れたので、今日はリンゴ酢を入れてみました。

 


オリーブオイルは、オリーブの匂いが少ないピュアオイルを使いました。オイルもオリーブオイルの代わりに、アマニ油やシソ油などでも良いと思います。

 


爽やかで、ほどよい甘さのフルーティーなドレッシングができました。

ムベジャムのトロミ感もいい感じです。

 


ムベをグリーンカーテンやフェンスに絡ませているお宅は、少ないと思いますが、もし、ムベが手に入ったら、ジャムにして、天然の栄養豊かな甘味料として活用するとおもしろそうです。